BASEの始め方|ネットショップ開設の手順・必要なもの・費用を解説
ネットショップを無料で始めたいと考えたとき、最初の候補に挙がるのがBASE(ベイス)です。ただ、いざ始めようとすると「何を用意すればいいのか」「本当に無料なのか」「公開すればすぐ売れる状態になるのか」が意外とわかりにくいものです。
アリスフィアはホームページ制作とEC運営を手がけているため、初めてネットショップを持つ方がどこでつまずくかを、現場で数多く見てきました。この記事では、その視点も交えながら、BASEの始め方を「準備」から「公開して売れる状態にする」までの流れにそって解説します。
手数料の細かい料率や損益分岐は別記事でくわしく扱っています。ここでは、開設して販売を始めるまでに迷わないことを目標にまとめました。
- BASEを開設する前に決めておくこと・用意するもの
- 登録から公開までの具体的な手順(STEP1〜7)
- 初期費用・月額0円で始まる費用構造と、後から増えるコスト
- 「公開できる」と「すべての決済で売れる」の違い
- 法人開設・住所非公開・開設代行など、ケース別の対応
- 自分にBASEが向いているか(STORESとの使い分け)
BASEとは?無料でネットショップを始められる仕組み
BASEは、専門知識がなくても自分のネットショップを持てる、ネットショップ開設サービスです。最初に利用する「スタンダードプラン」は初期費用も月額も0円で、費用をかけずに開設できます。
ただ、ここで一つ押さえておきたいことがあります。「無料で始められる」は「ずっと1円もかからない」という意味ではありません。
商品が売れたときには売上から決済手数料とサービス利用料が差し引かれ、売上を銀行口座へ出金するときにも振込手数料がかかります。
「開設は0円」でも「売れたら手数料が引かれる」
BASEは固定費0円で始められる一方、商品が売れると売上から手数料が引かれます。この「入口は無料・成果に応じて課金」という仕組みは、初期投資を抑えて小さく始めたい個人や副業と相性のよい設計です。手数料そのものの料率や、月商別にいくら残るかは別記事「BASEの手数料は高い?」で詳しく解説しているので、コスト感を先に知りたい場合はあわせて確認してください。
【始める前に】BASE開設に必要なもの
BASEの開設は、手順そのものはシンプルです。ただ、途中で入力を求められる情報がいくつかあります。あらかじめ用意しておくと、登録から公開までを一気に進められます。
個人が用意しておくもの
開設前チェックリスト(個人)
- 受信できるメールアドレスとログイン用パスワード
- 希望するショップURLの文字列(あとで変更できないため要検討)
- ショップ名・ショップの説明・カテゴリ
- 本人確認書類どおりの正式な氏名・住所・電話番号
- 営業時間や定休日、販売価格・支払時期・発送時期・返品条件
- 販売する商品の名称・説明・税込価格・在庫数・商品画像
- 送料と配送方法
- 売上を受け取る本人名義の銀行口座(登録は振込申請のときでよい)
このなかで、初心者が特に時間を取られやすいのが商品画像と特商法まわりの情報です。先に手を動かしておくと、あとがスムーズになります。
見落としやすい3つの注意点
開設したあとで「知らなかった」となりやすいポイントを、先にまとめておきます。
1. ショップURLは後から変更できない
登録時に決めるショップURLは、開設後に変更できません。制作会社の立場からお伝えすると、URLは名刺やSNS、チラシにも載せる大切な要素です。あとで困らないよう、ショップ名やブランド名にあわせて最初に決めておきましょう。
2. 銀行口座は「開設時」ではなく「振込申請時」に登録する
「開設に銀行口座が必須」と思われがちですが、口座はショップ開設前には登録できません。売上を出金する振込申請のタイミングで登録します。その際は電話番号認証と、決済申請の名義と口座名義が一致していることが必要です。
3. 本人確認(eKYC)は、開設時に必ず求められるわけではない
新規開設の時点では、顔写真付き身分証による本人確認(eKYC)は必須ではありません。ただし運営状況に応じて、あとから本人確認を求められる場合があります。「開設にいきなり身分証が必要」と身構えなくて大丈夫です。
なお、食品や酒類、中古品などを扱う場合は、商品によって法令上の許可・免許が必要になることがあります。何が必要かは商品ごとに異なるため、扱う商材の規制は事前に確認しておきましょう。
BASEの開設手順(登録から公開まで)
ここからは、BASEでネットショップを開設する流れを順番に見ていきます。基本はパソコン・スマホのどちらでも進められ、公式アプリからでも開設できます。まずは全体像を押さえましょう。
- アカウントを作成する
- メール認証をする
- 特定商取引法に基づく表記を入力する
- 商品を登録する
- BASEかんたん決済を申請する
- デザインを整える
- 公開する
STEP1:アカウントを作成する
メールアドレス・パスワード・ショップURLを入力し、反社会的勢力でないことの誓約に同意してアカウントを作成します。前述のとおり、ショップURLはここで決めると後から変えられないため、慎重に決めてください。
STEP2:メール認証をする
登録したメールアドレスに本登録のメールが届くので、記載のURLにアクセスして認証します。メール認証が終わっていないと、ショップを公開できません。届かない場合は迷惑メールフォルダも確認しましょう。
STEP3:特定商取引法に基づく表記を入力する
氏名や住所、連絡先、販売価格、支払方法、返品条件などを入力します。ネットショップを公開するうえで必要な情報です。自宅住所を出したくない場合の対処は、後ほどケース別の項目で説明します。
STEP4:商品を登録する
商品名・説明・税込価格・在庫数に加えて、商品画像を登録します。ネットショップは実物を手に取れないぶん、写真の印象が売れ行きを大きく左右します。
明るく分かりやすい写真と、サイズや素材などの具体的な説明を用意しておくと安心です。まずは1商品だけ登録して、公開までの流れをつかむのもおすすめです。
STEP5:BASEかんたん決済を申請する
商品を売るには決済の利用申請が必要です。個人の場合は申請と同時に原則使えるようになりますが、一部の決済手段には審査があります(次の項目で詳しく触れます)。申請は早めに出しておくと、公開後すぐに販売しやすくなります。
STEP6:デザインを整える
無料のテーマを選ぶだけでも、見栄えのするショップになります。最初から作り込みすぎず、ロゴやトップ画像を差し替える程度で公開し、運営しながら少しずつ整えていくほうが挫折しにくいでしょう。
STEP7:公開する
ここまでの設定が済んだら、公開設定をしてショップを公開します。これでネットショップが表示される状態になります。
「公開できる」と「実際に売れる」は違う
ここは見逃されがちですが、実務ではとても大事なポイントです。ショップを公開できることと、すべての決済で売れる状態になることは、同じではありません。
個人のショップの場合、BASEかんたん決済は利用申請と同時に原則として使えるようになります。ただし、一部の決済手段には追加の待ち時間や審査があります。
審査・待ち時間が発生する決済の例
JCB・American Expressは、申請から利用開始まで2〜3営業日が目安です。PayPayは別途審査があり、Amazon Payは扱う商品や登録情報によっては利用できない場合があります。
そのため「公開したのに、一部の決済だけまだ使えない」という状況が起こり得ます。EC運営の経験からお伝えすると、購入者は使いたい決済がないと離脱しやすいものです。
だからこそ、商品登録や特商法の入力を先に済ませ、審査が入る決済は余裕をもって申請しておくのがおすすめです。まず使える決済で公開し、審査が下りた決済を順次追加していきましょう。
BASE開設にかかる費用と時間
費用面では、最初に使うスタンダードプランは初期費用0円・月額0円です。開設した時点では費用は発生しません。
お金がかかるのは、基本的に「商品が売れたとき」と「任意で機能を足したとき」です。売れたときは決済手数料とサービス利用料が売上から引かれ、出金時に振込手数料がかかります。具体的な料率や実質コストは、前述の手数料の記事にまとめています。
そのほか、あとから追加でコストが発生し得るものには、次のようなものがあります。
- 上位プラン(グロースプラン)の月額
- 有料テーマ(買い切り)や、一部の有料App
- 独自ドメインを外部で取得・更新する費用
- BASEロゴの非表示、広告出稿など任意の機能
- 梱包材や配送の実費、匿名配送の追加手数料
コストのかけ方は「無料で始めて、伸びてから」で十分
- まずは無料テーマ・標準機能で開設し、固定費をかけない
- 売上が安定してきたら、独自ドメインや有料Appを検討する
- 月商が増えてきたら、料率が下がる上位プランへの切り替えを試算する
開設にかかる時間は、アカウントの登録自体は数分程度で終わります。ただし、商品登録・画像の用意・特商法の入力・決済申請・デザインまで含めた「販売準備全体」にかかる時間は、商品数や準備状況によって変わります。
公式に一律の目安は示されていないため、時間に余裕をもって進めるとよいでしょう。「登録の速さ」と「販売開始までの時間」は分けて考えておくと、スケジュールを立てやすくなります。
開設まわりのケース別の対応(法人・住所・代行)
基本の流れはここまでのとおりですが、状況によって気になる点が出てきます。とくに質問の多い3つのケースを、まとめて確認しておきましょう。
法人でBASEを開設する場合
法人名義でもBASEを開設できます。個人との主な違いは、申請と審査の項目が増える点です。法人の場合は、BASEかんたん決済の利用申請に加えて「法人利用申請」が必要になります。
法人利用申請の前でもショップの公開自体はできますが、その間は決済機能を利用できません。両方の申請が済んで審査が通ると、決済が使えるようになります。
審査完了の目安は、新規開設時でおよそ6営業日、JCB・American Expressはおよそ11営業日です。審査が通ると、売上金の振込申請ができるようになります。
個人事業主は「法人」ではなく「個人」を選ぶ
開設時の区分では、個人事業主の方も「個人」を選択します。「法人」は登記された法人向けの区分です。法人で開設するときは、登記簿と一致する法人名や法人名義の口座などが必要になります。
自宅住所を公開したくない場合
ネットショップでは、特定商取引法に基づく表記として、運営者の住所や電話番号を掲載するのが原則です。自宅で運営する個人にとっては、ここが一番気になるところでしょう。
BASEでは「個人」区分の場合、購入者向けの特商法ページで住所と電話番号を非公開にできます。非公開にすると、そのページにはBASEを運営する会社の住所・連絡先が表示されます。
ただし、正確な住所・電話番号をBASEに登録すること自体は必要で、氏名は非公開にできません。法人はこの非公開設定の対象外です。
「表示を消す」ことと「住所を使わない」ことは別
特商法ページ上で住所を非公開にできても、通常の発送では自分の住所を発送元として使うことになり、返品対応などで求められた場合は住所・連絡先の開示が必要になることがあります。発送元や返品先にも自宅住所を使いたくない場合は、事業用の住所を用意する方法があります。
事業用の住所を借りる手段として、バーチャルオフィスがあります。実際にBASEのアプリにも住所を借りられるサービスが用意されているほど、ネットショップと相性のよい選択肢です。
自宅開業では住所をどう扱うかが必ず論点になるので、開業前に決めておくと安心です。具体的なサービスの選び方は、次の記事で詳しく紹介しています。
個人事業主におすすめのバーチャルオフィスを、格安・法人登記の観点で10社徹底比較。月額料金や初期費用に加え、郵便転送や電...

開設代行は必要?自分でできる?
「BASEの開設代行」を探す人もいますが、結論として、通常の開設に代行は必須ではありません。BASEの登録・公開はすべて自分の管理画面で完結でき、スタンダードプランなら初期費用も月額も0円です。少ない商品数を無料テーマで始めるだけなら、費用をかけて代行を頼む必要はないと考えてよいでしょう。
一方で、BASEには「BASE Partners」という公式のパートナー制度があり、第三者が制作やコンサルティング、開設支援を提供しています。制作会社としての視点では、有料の代行や制作依頼は「時間を買う」ためのものです。
短期間で開店したい、大量の商品をまとめて登録したい、独自デザインで作り込みたい、他サービスから移行したい、といった場合に任意で検討するとよいでしょう。まずは自分で無料で開設してみて、必要を感じたら支援を頼む、という順番で問題ありません。
開設後に知っておきたいこと
ショップを公開したら、運営に向けて知っておきたいことがあります。集客のための設定と、万一辞めるときの条件を押さえておきましょう。
集客・運営のための設定(デザイン・App・クーポン)
BASEは「App」と呼ばれる機能を追加していく仕組みで、多くが無料です。開設直後にそろえておくと運営が楽になります。
開設後にそろえておきたい無料App
- 送料設定・カテゴリ管理:商品を探しやすく、送料の計算を正確に
- SEO設定:検索エンジンに表示されやすい状態を整える
- クーポン:割引率や期間、対象商品を決めてお客様に配布できる
デザインは無料のオフィシャルテーマで整えられます。さらに自由に作り込みたい場合は、有料のデザイナーズテーマや、HTMLを編集できるApp(パソコン専用)もあります。
「開設キャンペーン」と「顧客向けクーポン」は別のもの
BASEが実施する開設者向けのキャンペーンは、時期によって内容が変わります。一方、ここで紹介した「クーポンApp」は、ショップが自分のお客様に向けて発行する割引機能です。同じ「クーポン」でも役割が違うので、混同しないようにしましょう。最新のキャンペーンは公式の案内で確認してください。
辞めたいときの退会条件
始めるときにはあまり意識しませんが、辞めるときの条件も知っておくと安心です。スタンダードプランは月額0円ですが、いつでも無条件で即時に退会できるわけではありません。
退会前に知っておきたいこと
最終注文日から60日以内は退会できません。売上残高が751円以上ある場合は、振込申請をしてから退会します。また、グロースプランの契約中は退会できず、スタンダードプランへ変更してから退会します。退会するとショップは削除され、元に戻すことはできません。
BASEとSTORESどっちがおすすめ?
ネットショップ開設サービスには、BASEのほかにSTORESなどの選択肢もあります。どちらも月額0円のプランから始められるため、開設のしやすさと使い方の相性で選ぶのがおすすめです。それぞれ向いている人を整理しました。
どちらも無料で始められるので、迷ったら実際に触ってみるのが一番です。まずは両方の公式サイトをのぞいて、管理画面やデザインの雰囲気を見比べてみてください。
しっくりくるほうで開設し、合わないと感じたらもう一方に切り替える、という進め方でも十分に間に合います。
よくある質問(FAQ)
BASEの開設は本当に無料ですか?
スタンダードプランは初期費用・月額ともに0円で、開設した時点では費用はかかりません。ただし、商品が売れたときは売上から決済手数料とサービス利用料が引かれ、出金時に振込手数料がかかります。「開設は0円だが、売れたら手数料が引かれる」と理解しておきましょう。
ショップのURLは後から変更できますか?
登録時に決めたショップURLは、開設後に変更できません。名刺やSNSにも載せる大切な要素なので、ショップ名やブランド名にあわせて最初に慎重に決めてください。
開設に審査はありますか?
ショップの開設そのものに審査はなく、必要な設定を済ませれば自分で公開できます。ただし、決済(BASEかんたん決済)の一部の手段には利用申請や審査があり、法人の場合は法人利用申請の審査があります。
開設に身分証(本人確認)は必要ですか?
新規開設の時点では、顔写真付き身分証による本人確認(eKYC)は必須ではありません。ただし、運営状況によってはあとから本人確認を求められる場合があります。
銀行口座はいつ登録しますか?
銀行口座はショップ開設前には登録できません。売上を出金する振込申請のときに登録します。決済申請の名義と口座名義が一致している必要があります。
スマホだけで開設できますか?
公式アプリを使えば、スマホから新規開設や商品登録、注文確認などができます。ただし、本人確認(eKYC)はスマホのブラウザが必要で、HTMLを編集するAppはパソコン専用です。標準的な開設・運営はスマホ中心で可能ですが、すべての機能をアプリだけで完結できるわけではありません。
自宅の住所は公開されますか?
「個人」区分では、特商法ページで住所と電話番号を非公開にできます(氏名は非公開にできません)。非公開にするとBASE運営会社の住所が表示されます。ただし、正確な住所の登録は必要で、発送や返品では住所が求められる場合があります。自宅住所を使いたくない場合は、バーチャルオフィスの利用も選択肢になります。
BASEの始め方・ネットショップ開設のまとめ
BASEの始め方を、準備から公開までの流れで見てきました。ひとことでまとめるなら、BASEは「まずは無料で開設し、育てながら整えていく」のに向いたサービスです。最後に、行動に移すためのポイントを整理します。
この記事のポイント
- スタンダードプランは初期費用・月額0円。開設時点では費用はかからない
- ショップURLは変更不可、銀行口座は振込申請時でよい、eKYCは開設時必須ではない
- 手順はSTEP1〜7。公開できても一部の決済は審査待ちになることがある
- 住所は非公開設定が可能だが、発送・返品では住所が必要。気になるならバーチャルオフィスも選択肢
- 開設代行は必須ではない。まず自分で無料開設し、必要なら支援を検討
ネットショップは、完璧に準備してから始めるより、まず小さく公開して、走りながら手を入れていくほうがうまくいきやすいものです。初期費用がかからないBASEなら、「とりあえず1商品を並べて公開してみる」という最初の一歩を気軽に踏み出せます。
準備が整ったら、まずは無料で開設して、あなたのお店を形にしてみてください。
